我が子の就活は、親にとって気がかりなもの。良いアドバイスをしてあげたい、と思っても、昔と今の就活事情はずいぶん異なります。
的はずれなアドバイスをしてしまわないように、まずは今どきの就活事情を親が理解することが大切です。
今回は、就活生の親が気になっている今どき就活事情をお伝えします。

Q.インターンに参加すると内定は取れるの?
A.インターンの種類によっては、内定が取れることもあります。

今どきの就活では、多くの企業では3月1日の就活解禁以前にインターンを行うのが一般的です。
インターンとは、英語で「職業体験」の意味。採用前に、実際に学生が就労体験をする、ということです。
インターンはいくつかの種類があり、ベンチャー企業などでは、社員に混ざって長期間実務を経験する形式をとっています。
大企業では、1週間程度、実務を模したワークをグループで取り組み、社員の前で発表するインターンが一般的です。
また、1日限りのインターンもあります。1日限りのインターンは、会社の説明や社員との座談会などを行うことが多いです。

インターンを開催する意図は、会社によって異なります。会社のことをより多くの就活生に知ってもらうのが目的の会社もあれば、優秀な学生と早期に接触し、内定を出す「青田買い」が目的の会社もあります。自社の宣伝が目的のインターンでしたら、インターンに参加しただけで内定が取れることは基本的にはないでしょう。青田買いが目的のインターンでしたら、早期選考ルートに案内され、内定につながる可能性があります。
参加するインターンが、宣伝目的か早期選考目的かは、外部の人からは分かりません。よって、インターンに参加したのに我が子が内定を取っていなくても過剰に不安になったり、我が子を責める必要はありません。

Q.結局面接はいつから始まるの?
A.正式には6月1日からですが、実質的には大学3年生/大学院1年生の12月以前に始まっています。

現行の経団連ルールでは、3月1日に企業が採用情報を公開し、6月1日から採用面接を開始するルールになっています。
しかし、このルールは守られておらず、多くの企業が「面接」ではなく「面談」という形で、実質選考を行っているのが実情です。
現実に近い選考日程は以下のようになります。

大学3年生/大学院1年生 12月以前
外資系、ベンチャー企業の本選考、日系企業のインターン
大学3年生/大学院1年生 1-2月
日系企業のインターン、面談という形での優秀学生青田買い
大学3年生/大学院1年生 3月
就活解禁 日系企業のエントリー開始 面談という形での優秀学生青田買い
大学4年生/大学院2年生 4月-5月
日系企業の書類選考、筆記試験 面談という形での優秀学生青田買い
大学4年生/大学院2年生 6月
ルール上では面接が解禁される、面談で接触をしていた優秀学生には6月1日に内定通知
大学4年生/大学院2年生 7月以降
6月までの採用で採りきれなかった人材を夏採用、秋採用、冬採用で採用

Q.就活ルール変更で就活はどう変わるの?
A.就活生の青田買いは加速し、就活は早期化すると予想されます。

2018年9月、経団連が2021年卒学生の就職活動から既存の就活ルールを廃止すると発表しました。これはつまり、2021年卒学生の就職活動から企業は1年中採用活動を行うことが可能になるということです。
この変更に伴い、青田買いはますます増えると予想されます。
就活ルールが廃止により内定を出すタイミングに規制はなくなるため、企業は優秀な学生に早々と内定を出すことが可能になります。よって、企業は優秀な人材を他社に先んじて確保するために青田買いの早期化が予想されます。現行就活ルールのもとでは、青田買いの対象はもっぱら大学3年生ですが、大学2年、1年生もターゲットとなるでしょう。
就活の早期化に対して、大学生はどのように対応していけばいいでしょうか。
従来の就活では、大学3年生の夏ごろから、インターンに参加するなどして少しづつ就活の準備を進めていき、大学3年生の3月~4年生の6月の4ヶ月間、就活に専念する形が一般的でした。
しかし、企業が大学1年生から青田買いを始めるようになれば、学生は大学入学後すぐ就活の準備を始める必要があります。バイト選び、ゼミ選び、サークル選びなどの選択一つ一つを将来のキャリアにつなげることができるものするといいでしょう。
しかし、ルール変更を過剰に心配する必要はありません。
就活生は、これまでも何度か就活時期の改変に振り回されてきました。就活解禁日が前年と変更になり、先輩の経験があてにならず十分な準備ができなかったという声が、就活生から多く聞かれました。
しかし、就活ルール変更がない年も同様に、十分な準備ができず、満足いく就活ができなかったと反省する就活生は数多く存在します。この事象から言えるのは、就活時期変更の有無に関わらず、就活生は準備が足りないために失敗するということです。
逆に考えると、しっかり対策をしておけば、他の人より有利に就活ができるということです。

大学生たちには、ルール改変に振り回されることなく、早い段階から自分のキャリアを考えてほしいと願っています。親御様もそんな就活生の事情を理解し、応援していただければと思います。