将来の安定を考え、子供に公務員就職を勧める親御さんは少なくありません。
近年、不安定な社会情勢を背景に、公務員の人気は上がっています。公務員の倍率が上がっている中で、公務員試験に全落ちしてしまう方も出ている現実があります。
公務員に全落ちしてしまったら、どのような末路が待っているのでしょうか?
毎年公務員志望の学生も入塾する、就活塾キャリアアカデミーに在籍する筆者がご説明します。
「公務員」全落ちのリスク
公務員試験には、全て落ちてしまうリスク、つまり「全落ち」のリスクがあります。
「全落ち」してしまうと、次の公務員試験に向けて公務員浪人するか、民間企業に切り替えて就活をすることになります。
公務員浪人は、時間とお金が余計にかかってしまうことになります。
一方、公務員試験に全落ちしてから民間企業就活に切り替える場合は、就活のピークシーズンを過ぎてから就活を始めることになるため、自分の希望に合った求人を見つけるのに苦労することとなります。
よって、公務員志望者が、リスク回避のため、公務員単願ではなく民間企業への就活も並行して行うことも少なくありません。
公務員試験と民間企業の就活は、日程的に両立することが可能です。例年公務員の一次試験は、5月~6月に実施されます。一方就活は、4月頃から面接が始まるところが多いです。4月~5月の早い時期に民間企業の内定を取り、5月以降は公務員試験に集中することになります。
公務員試験で行われる「面接・グループ討論」は、民間企業の就活のものと似ています。公務員試験の前に、民間企業の就活で、「面接・グループ討論」の実践練習ができることは、公務員単願よりも大きなアドバンテージとなります。
公務員試験は、筆記試験よりも、実は面接・グループ討論の対策が大変であるとも言われています。せっかく勉強した筆記試験が無駄にならないように、面接・グループ討論の対策も抜かりなく行う必要があります。
「全落ち」後の就活は、時間がない
もし、公務員試験に「全落ち」した後、民間企業の就活に切り替えるなら、どのような流れとなるのでしょうか。
多いパターンとしては、公務員試験の結果が判明する8月~9月頃に民間企業就活に切り替え、10月1日の内定式前に内定を獲得する、というものです。
近年、民間企業の就活は「通年採用」の流れが進んでおり、就活のピークシーズンを過ぎてからも、多くの企業が「夏採用」「秋採用」という形で、採用活動を続けています。しかし、ピークと比べれば、求人の数は少なくなってしまいます。また、「夏採用」「秋採用」は10月1日の内定式に来年度新入社員の頭数を揃えるために行っていることが多く、内定式後は求人数が減少する傾向があります。よって、公務員試験後に民間企業の就活をするなら、8月、9月が勝負となります。
民間企業への就職対策期間が2ヶ月というのは、十分とはいえません。特に、自分はどのような仕事をしたいのか、どのような仕事に向いているのかを考える「企業研究」は、本来なら最低半年くらいは時間をかけて考えるものです。しかし、時間が限られている中就活をこなさなければなりませんので、とにかく効率的に就活を進めていく必要があります。
就活塾キャリアアカデミーには、例年、公務員試験に落ちて、民間就活に切り替えた方が、対策のために入塾します。効率的な就活のためにプロの力を借りるのは、合理的だと言えるでしょう。就活塾では、自分がどのような企業を受けて、どのような志望動機を言うかということについて、カウンセラーと一緒に考えて、戦略を立てて就活を進めていくことになります。順調に行けば、就活を始めてから一ヶ月程度で、志望企業の内定を取ることができます。
公務員浪人はリスク?
公務員試験に全落ちした場合、次の公務員試験に向けて公務員浪人をするという選択肢も存在します。
しかし、大学に在籍しておらず、職歴もない、履歴書に空白の期間ができてしまうというデメリットがあります。
公務員浪人する場合は、予備校に通うことが一般的です。予備校に通う金額と履歴書の空白、そして公務員試験に合格した際のメリットを総合的に判断して、公務員浪人をするか、それとも民間就職に切り替えるかどうか、決める必要があるでしょう。
まとめ
公務員試験に落ちてしまった場合は、公務員浪人か民間企業への切り替えの選択肢があります。
もちろん、試験に合格するのが一番ですが、もしものことを考えて、親も子供も公務員試験に挑む必要があるといえるでしょう。