近年、就活界では「親子就活」という言葉が聞かれるようになりました。
この親子就活とは、どのようなものなのでしょうか。
「親子就活」とは?
「親子就活」とは、親が子供の就活に積極的に関わっている状態のことを指します。
現代の日本では、子供の中学受験や大学受験に対して、積極的に関わっている親が多く存在します。そのような親は、中学受験や高校受験の延長線上で、就職活動にも積極的に関わっていくため、「親子就活」という言葉が生まれたと考えられています。
「親子就活」の傾向は、年々高まっていると感じます。筆者は就活塾で勤務していますが、年を追うごとに、就活塾に相談に来る親子連れは増えていると感じています。また、就活塾の体験相談に来た就活生に「なぜ就活塾に来ようと思いましたか?」と質問すると、「親に就活塾を勧められて来ました」と答える方が、全体の3割から4割ほどいる印象です。このように、親が子供の就活に関心を持ち、就活対策のための塾を紹介する、といったことも、最近では珍しいことではなくなってきているように感じられます。
親が子供の就活に積極的に関わることは、必ずしも悪いことではありません。何かとお金がかかる就活に金銭的援助をしたり、親ならではのネットワークを使いOBOGを紹介するなどの行為は、親ならではの手助けです。
しかし、中には子供の就活に干渉しすぎな、やりすぎ「親子就活」があることも事実です。やりすぎ親子就活の例について、ご紹介します。
やりすぎ「親子就活」の例
1.子供の受ける企業に口出し
「大手企業に行ってほしい」
「自宅から通える範囲ではない会社には行かせない」
子供の就活に干渉しすぎる親は、このように子供が受ける企業について口出しが激しく、子供の受ける企業を指定したり、制限する傾向があります。
子供の多くは、親の意向に沿うように一生懸命頑張ります。親に反対を受けたため、内定が出た企業を辞退して、多くの就活生が就活を終えている時期に就活を一からやり直す子供もいます。
しかし、子供自身の希望より親の意向を優先する就活は、多くの場合うまくいきません。就活が一般的な人より長引いてしまうのはまだ良い方です。自分の希望と親の意向の間で板挟みになって、精神的に病んでしまう子供もいます。
20歳を過ぎた子供は、もう大人です。子供の決断をコントロールすることは、悪い結果につながります。
2.的外れなアドバイスをする
長い間働いておらず、昨今のビジネス事情を知らない専業主婦の方にありがちですが、就活生に対するアドバイスが的外れなことがよくあります。
就活を取り巻く環境は年々変化し、複雑化しています。現役で働かれている方でも採用に携わったことがなければ、採用の実際のことは分からないことが多いのが実情です。
親が間違ったアドバイスをしてしまったせいで、子供が就活のチャンスを逃してしまった例をこれまで多く見てきました。
確信がないことは、気軽にアドバイスするのではなく、調べるか、調べても分からなければ、就活の専門家にアドバイスを求めてください。
3.子供の内定先に難色を示す
子供が獲得した内定に対して、ダメ出しをしてしまうのもやりすぎ「親子就活」の特徴です。
「そんな名前も聞いたことのない会社はだめだ」
「もっと名が知れた企業を受けなさい」
という口癖で、子供の就活を親の希望に沿ってコントロールしようとします。
しかし、ご存知の通り、大手有名企業に入社したとしても、幸せな人生が保証されているわけではありません。また、親が「行かせたくない」と思う企業であっても、子供が希望するなら、親に子供をとめる権利はありません。
親は心配に思うかもしれませんが、子供が親の意向の方を重視し、その結果入った企業で上手くいかなかったときのほうが、悪い結果につながります。
まとめ
やりすぎ「親子就活」にならないように、大切なのは、一歩引いて子供の就活を見守る広い心です。